どれ程の必要が。

バンドマンでモバイラなBlog

NI『Rig Kontrol 3』レビュー

もう新品で買えない商品のレビューをするのもどうなのかなあと思うところもあるんですが、日本語のレビューがほとんどないこと、NIへ次期モデルの要望含め書いておきたいこともあるので備忘録として。
Native Instruments「Rig Kontrol 3」のレビューです。

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発売からもうすぐ10年

いまこの見出しを書きながら、もうこれはヤバいなと感じましたw
Rig Kontrol 3は2007年に発売された、フットペダルタイプのオーディオインターフェース/MIDIコントローラです。
アンプシミュレータソフトウェア「Guitar Rig Pro」とのセット販売の他、2009年には単品のハードウェアとしても発売。2010年に200セット限定で再び「Guitar Rig Pro」がバンドルされたセットが発売され、以降ディスコンとなったようです。

概要としてはマルチエフェクターのような見た目そのまま、「アンプシミュレータソフトがコントロール可能なオーディオインターフェース」という製品となります。
これ発売当時は結構画期的だったと思うんですが、「マルチエフェクター+オーディオインターフェース機能」という製品が多く発売されている近年でも、この「Rig Kontrol」と類似する商品は存在しません。

過去にZOOMが発売した「C5.1t」が唯一、ほとんど同じコンセプトの商品だったように思いますが、結局こちらはソフトウェアとハードウェアが分かれているメリットをあまり訴求できず、このモデルのみで終了となったようです。
しかしながらG3あたりからのマルチエフェクターの出来の良さは皆ご存知の通りですので、クオリティどうこうではなく、単純にコンセプト自体があまり需要のないものだったのかなという気がします。
本家Rig Kontrolも沈黙を守り、新製品が出ないまま2016年を終えようとしています…。

Rig Kontrol 3の機能概要

気を取り直して、リグコンの概要を見ていきましょう。

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まずオーディオインターフェース部分ですが、2in/2out、サンプルレート192kHz/24bit、USB2.0対応と、まずまず実用的なスペックです。
入力についてはそれぞれのチャンネルに2段階の入力切り替えスイッチ(ライン/ギター)とゲイン調節のノブが付いており、一般的なマイク入力(キャノン端子)には対応していません。

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フットスイッチ部は、先代のモデルからスイッチ数が増え、1~8+踏み込み可能なスイッチ付きのペダルという構成になっています。
USBケーブル一本で駆動し、外部電源やバッテリーは必要ありません。
剛性感の強い金属筐体で安心して使えますが、その分重量は約2.6kgと結構あります。
表示部分はセグメント式で、現在選択中のパッチナンバーが表示されます。
その隣はin/outの入出力レベルを表示するインジケーター。
チューナーがここに表示されれば便利なのにと思いました。

Guitar Rigの概要と設定

単体で汎用MIDIコントローラとしても使用可能ですが、やはり専用のアンプシミュレータソフト「Guitar Rig」と組み合わせた時の使い勝手が抜群に良いです。

Guitar Rigの最新バージョンは「5 」で、これは現行の「KOMPLETE 11」にも含まれています。KOMPLETEに含まれているもの、および単品販売しているのがフルバージョンの「Pro」、超廉価版のミニマムパッケージ「KOMPLETE ELEMENTS」に含まれている「ESSENTIAL」、NI公式サイトより無料でダウンロードできる「Player」の全3グレードがラインナップされています。

  

※KOMPLETE ELEMENTSは少し前まで公式で取扱があったんですが、現在は単品販売されていないようです。「KOMPLETE AUDIO 6」というインターフェースにバンドルされています。
※最新のKOMPLETE廉価版「KOMPLETE 11 SELECT」にはGuitar Rigは含まれません。

それぞれアンプ数やエフェクト数が異なりますが、主だった機能に違いはなく、リグコンと組み合わせて使う場合もグレードによる制限はありません。アンプモデルやエフェクターのオンオフを始め、あらゆるパラメータを簡単に割り当てることができます。
割り当て作業はとても簡単で、かつ柔軟性が非常に高いです。

作り込んだパッチを切り替えて使うという従来のマルチエフェクター的な使い方でも勿論良いんですが、パッチチェンジのスピードがあまり速くないため、各アンプ・エフェクトのオンオフなどを8つのスイッチに割り当て、1つのパッチ内で完結するようにセッティングする方法がオススメです。一回のスイッチングで複数エフェクトのオンオフも可能であるため、かなり柔軟にセッティングできるかと思います。

一応使い方を超簡単に。
リグコンをPCとUSBで接続して、ギターリグを立ち上げます。プリセットを選択するか、好みのアンプモデルとエフェクトを選択してパッチを作成。選択した機材は右側にラック形式で表示されます。

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選択中のプリセット名が表示されているウィンドウの右側、フットペダルのアイコンをクリック。ラック下部にペダルビューが開くので、左上の「CONNECT」のランプ部をクリックしましょう。ランプが赤く点灯し、リグコンが有効になります。

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機能を割り当てたいペダル(上記スクリーンショットでは1)の上で右クリック。
メニューから割り当てたい機能を選択し完了です。
1つのスイッチに最大4つまで機能を割り当てられるので、複数のエフェクトを同時にオンオフしたり、ペダルビュー上部で特定のエフェクト同士をトグルしたりする設定にもできます。

これだけです。すごく簡単! 詳細な説明は割愛しましたが、また機会があれば色々と気づいたこと、便利な使い方など書くかも知れません。

Rig Kontrol 3の活用例

こちらの記事でも書いているんですが 

www.dorexxx.info

自分は近年、ライブでもPCとDAWを使って演奏しています。
ギターについてもVSTプラグイン版のGuitar Rigを起動して演奏を行っていますが、制作時とまったく同じセッティングで音を出せることで非常にスムーズにライブに挑めるようになりました。これが最大のメリットだと思います。

一方、このスタイルでライブを行う場合、リグコンだけでは対応できない問題があります。オケやギター、ベースなどをマルチアウトする場合です。

2MIXのオケにギターも混ぜてしまう場合は問題ないんですが、演奏時の音圧や空気感を考えると、アンプを鳴らしたい場合も多々あると思います。
またクリックやガイド音を他のメンバーに聴かせたいケースもあると思いますが、その場合2outしか出力を持たないリグコンだけでは対応できず、結局他のオーディオインターフェースと組み合わせる必要が出て来るんですね。

結果として現在は「CUBASE+マルチアウトできるオーディオインターフェース+リグコン」という組み合わせでライブしています。リグコンのオーディオインターフェース機能は使わず、単にフットペダルとして使用している状況です。
これはちょっと勿体ないというか、切ないですね…。

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マルチアウトする必要のないちょっとしたリハーサルでは、リグコンから直接オケもギターも出しています。機材も少なくて済むのでありがたいです。

滅多にない機会なんですが、オケを出す必要がなく、単にギターだけ演奏する場合もリグコン一台で済むことになります。その場合もPCは必要になりますので、単体のマルチエフェクターの方が便利なんじゃないかと思いますが…。

次期モデルへの要望

以上を踏まえて、「Rig Kontrol 4」が出るとしたらこんな仕様を希望!
という、次期モデルへの要望を書いてみたいと思います。

①アウト数を増やしてほしい
突っ込みたいというか全力で主張したいのは、なぜ2outのみなのか?というところ。
上の活用例でも書きましたが、ステージでGuitar Rigを使うようなギークなバンドマン(笑)がギターのためだけにPCを使うか?という点を考えてほしいです。
基本的にDAWと組み合わせて使いたいし、その場合はマルチアウトしたいと考えるのは自然じゃないんでしょうか。
時期モデルは少なくとも2in/4out仕様にしてほしいと思います。

②キャノン端子に対応したマイクインがほしい
Guitar Rigにはボーカル向けのプリセットもたくさん入っているので、マイクインに対応していればボーカルエフェクターとしても活用できるんじゃないでしょうか。
LR両方からの入力を受ける設定にしておけば、ボーカルとギターそれぞれのトラックにGuitar RigをインサートしてTC-HELICONの「Play Electric」みたいな使い方もできるような気がします。



③筐体を小型化してほしい
現行モデルはちょっとデカすぎるので、次期モデルは上記①②を満たした上でひと回り小さめ、かつ重量2kg以内だと最高です。
正直持て余し気味なので、スイッチ数は6個でもOK。

好き勝手書きましたが、こんなリグコン4が出たら最高ですね。
もし本当にこんなの出たら最低3台は買っちゃうと思います。NIさん、是非よろしくお願いします。

終わりに

リグコンが欲しくて情報収集されている方や、この記事を読んで興味を持ってくださった方がこの後にぶつかる壁は「どこで入手するか」という問題だと思います。
新品は望めないので中古を探すしかないんですが、楽器屋さんではまず見かけません。ヤフオクではちょこちょこ出品されているようなので、ほしい方は探してみて下さい。相場は大体8,000~15,000円くらいみたいです。

以上、このまま忘れ去られてしまうには惜しい機材だったので、いまさらですがレビューさせて頂きました。何かの参考になれば幸いです。

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