どれ程の必要が。

バンドマンでモバイラなBlog

audio-technica『ATH-E40』レビュー

昨年6月に購入したオーディオテクニカのインイヤーモニター「ATH-E40」をレビューします。
ややマイナーな機種ですが、購入を検討している方の参考になれば幸いです。

f:id:kamito620:20170329005530j:plain

本機を購入した目的・用途

モニタータイプのイヤフォンも様々な価格帯で無数の選択肢がある昨今ですが、「だいたいの場面で無難に使える好みの一本」を探そうと思ったことがきっかけです。
この「好みの」ってところが難しい。

・モニター寄りで味付けのない鳴り方
・音色は固め、音場は広すぎず狭すぎず
・ややハイ上がり、必要以上に低音が膨らまない

こんなところが判断基準になってきます。用途としては

・出先での音楽鑑賞
・リハーサル・ライブでのモニター
・自宅および出先での制作補助

ライブや遠征の際は極力荷物を減らしたいので、「モニターヘッドフォン代わりに使える」というところも地味に大きいです。あとは単純に出先で使うので、耐久性と最悪無くしても諦められる価格帯というところも重要なポイント。あまりに高価だと出先で気軽に使えないので…。

用途別に見るともっと優れた機種は沢山あると思いますが、今回はすべての場面で100点でなくても75点くらい出せる汎用性と、何より自分の好みか?という点を重視して試聴を重ね、本機を選択しました。


型式は「ATH-E40」。Amazonで1万円くらい。
流行りのBAではなく、ダイナミック型のモデルです。上に書いた音と用途の要件をキッチリ満たしつつ価格もちょうど良いという、自分にとっての最大公約数的な機種でした。モニター向けを謳うだけありフラットな基本特性を持つシリーズですが、ATH-E40はハイに独特のピークがあり、単純に好みで気持ちの良い鳴り方をしてくれます。

IMシリーズや他のEシリーズについて

もちろん試聴したんですが、オーテクのBA型は何故か好みに合わず、今回はパスしました。音場が広い故に見通しは良いはずなんですが、芯が通っていない感じがしてどうもピンと来ず。

鳴り方がいちばん好みに近かったのはATH-IM70。これは結構良かったです。
解像度と見通しの良さでATH-E50も悪くはなかったんですが、前述の通りちょっとシックリ来ませんでした。

 

装着感と音の関係

結論から書くと、本機が真価を発揮するにはイヤーチップの交換が必要だと思います。
デフォルトのチップでは装着感があまりによくありません。
パイプの角度の都合上、いくらワイヤーを調整してもスポスポ耳から抜けてしまうんですね。自宅で制作に使う分には問題ないんですが、ライブでの使用にはまず耐えられません。
またデフォルトのチップでは、ハイ上がりな本機の特徴を最大限活かしたピーキーな鳴り方をします。というか、シャリシャリしすぎて一般的には敬遠されるレベルかも。
個人的にはギターの刺さり具合がすごく心地良くて、購入の決め手になった部分でもあるんですが、ここはちょっと損している部分かも知れません。

IMシリーズに倣ってコンプライのT-500に交換するとハイがマイルドになり、モニター用としてかなり実用的な鳴り方になります。その分大人しくなってしまうので、本機の独特なハイが気に入っていた耳には物足りなく感じるんですが、そんな時にはチップの逆差しがおすすめです。こうすると見た目はアレですが、チューブとウレタンフォームの距離分だけ吸音されなくなるので、丸まったハイ部分が戻ってきた感じになります。

f:id:kamito620:20170329005428j:plain

そんな訳で、自分は最近はもっぱら逆差しで使用しています。
順差しでも逆差しでも装着感は良好で、動きのある場面でも外れたりすることはありません。これまでライブでモニターとして使用した際にも、外れて困ったことはありませんでした。

最近になって茶楽音人のSpinFitも試してみたんですが、デフォルトチップとコンプライの中間という感じ。
音はデフォルト寄りでシャキっとしていて好みなんですが、装着感はやはりコンプライの方が一枚上手ですね。T-500と場面によって使い分けるという感じになりそうです。

 

 

総評:チップ交換必須だが、モニター寄りの音が好みな方にはおすすめ

自分の必要とするすべての用途において、85点くらいの満足感があります。
とりあえず本機で聴いておけば間違いないので、悩まなくなりました。
常に持ち歩いて場面を問わずに愛用しています。

デフォルトのチップが残念な感じなので、これが原因となって試聴の際にパスされてしまうかも知れませんね。そう考えると損しているというか、ちょっと不遇な機種だなあとは思います。
IMシリーズやEシリーズの上位モデルと同じく、コンプライを標準装備にしてほしかったところです。

チップ交換後は、同社のMシリーズ(モニターヘッドフォン)の補助・代替となり得る機種だと思います。イヤモニとしては安価ですし、様々な用途に対応できる便利な一本です。チップ交換必須とはなりますが、モニター寄りの音が好みな方にはおすすめしたい、地味ながら良いイヤフォンだと思います。

Copyright(C)2015-2017 Kamito Jingu